NEWS リスクマネジメントの重要性

原因は?

介護事故はなぜ起こるのか。その原因について詳しく見ていきましょう。

原因は?

防げないもの

まず、介護事故には防げるものと防げないものが存在します。介護サービスの利用者は、身体機能の衰えや認知機能の低下によって、自分の行動を上手くコントロールできません。それゆえ、完全に避けられない介護事故もあります。例えば、介護職員が見ていないところで、利用者が食事をかき込んで誤嚥事故が起こるケースです。利用者の突発的な行動によって起こる介護事故は、完全に防ぐのは難しいといえるでしょう。

人手不足

介護事故が起こる大きな原因の1つとして挙げられるのが、現場の人手不足です。多くの介護施設が最低限の職員数で運営されており、1人の介護職員が複数の利用者を同時に対応しているケースが日常的に発生しています。人手が足りなければ、当然利用者への見守りが行き届かなくなります。それに伴い、転倒・転落事故や誤嚥事故が起こります。介護職員が利用者の対応に追われ、その間に他の利用者が転倒するといったケースが代表的です。また、人手不足によって教育が疎かになり、介助の技術が不足したことによって介護事故が発生するケースも少なくありません。介護職員の疲労やストレスが介護事故の要因となり得ることもあります。
現在、日本では高齢化が進み、「2025年問題」や「2035年問題」などがニュースで取り上げられることも多くなりました。国が主体となり、介護業界を取り巻く問題を解決するために様々な施策を行っていますが、未だに人手不足によるサービスの質低下や離職率の上昇、経営状態の悪化などが危惧されている状況です。厚生労働省によれば、2025年には約32万人、2040年には約69万人の介護職員が追加で必要になるとのことです。現状でも、7割近くの介護施設が慢性的に人手不足を感じているという調査結果が出ています。こういった厳しい状況の中でも、可能な限り介護事故を減らすように努めなければなりません。

情報共有が不足している

介護事故は職員間の情報共有が不足している時にも起こります。忙しい中で情報の伝達が滞ってしまい、それが結果的に介護事故につながります。利用者の異常行動を発見した介護職員が、他の職員に対してその情報を共有し忘れて介護事故が起こるケースも少なくありません。

整理整頓されていない

介護施設内が整理整頓されていないことが原因で介護事故が起こるケースもあります。床に落ちた紙片や水滴などが原因で、利用者が転倒するケースです。介護施設内は、常に清潔で整理整頓された状態を保たなければなりません。

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